流行病にかかり高熱に苦しみ何日も意識が戻らなかった十七歳の雪媛は、奇跡的に回復した。
だが母親たちが話しかけても、怯えたような不可解な表情を浮かべるだけだった。
そして最初に発した言葉は、「あなたは、柳雪媛のお母さんですか?」。
皇帝の寵姫でありながら謀反を企てたことで、後の世で惡女と名高かった柳雪媛。
その雪媛と同じ尹族というだけで奴婢の身分にあった少女・玉瑛が死んで目覚めると、時を遡り自身が雪媛となっていたのだ。
自身が過去に生きた“雪媛"という人物になっていると知った玉瑛の混乱は激しく、当初は食事すらままならないものだった。
心に傷を負い絶望を抱えていた奴婢の少女は、いかにして雪媛として後宮に入ることを決意したのか。
絶望的状況から立ち上がる、“雪媛"はじまりの物語!