中には見たこともないような鳥がいた。
羽根はすべて純金で、目はろうそくの炎のようだ。
「わが不死鳥だ、あまり近づかないようにな。凶暴なのだ」
不死鳥とルビーが詰まった義足を押しつけられた
青年が見いだした解決策とは?
表題作他全10編を収録
ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手が織りなす摩訶不思議な世界
不死鳥と、ルビーが詰まった義足を獣医から引き継いだ旅人テーセウスの選択を描いた表題作ほか、つつましやかな幽霊犬を競売で手に入れた書類箱の中にみつけた飼い主の話「ハンブルパピー」、上の階に行くことを絶対に拒否し続けた女の子の運命「上の階が怖い女の子」など、奇妙で幻想味にあふれ、ときに優しく、ときにぞっとするような怖さを秘めた短編全十編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集第二弾。
■目次
「葉っぱでいっぱいの部屋」
「ハンブルパピー」
「フィリキンじいさん」
「ルビーが詰まった脚」
「ロープの手品を見た男」
「希望(ホープ)」
「聴くこと」
「上の階が怖い女の子」
「変身の夜」
「キンバルス・グリーン」