伝説の直木賞受賞作『プラナリア』に匹敵する、中毒性の高い短編小説集。
①「ばにらさま」 僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい……。
②「わたしは大丈夫」 夫と娘とともに爪に火をともすような倹約生活を送る私。
③「菓子苑」 気分の浮き沈みの激しい女友だちに翻弄されるも、放って置けない。
④「バヨリン心中」 余命短い祖母が語る、ポーランド人の青年をめぐる若き日の恋。
⑤「20×20」 主婦から作家となった私は、仕事場のマンションの隣人たちと……。
⑥「子供おばさん」 中学の同級生の葬儀で、遺族から形見として託されたのは。
以上6編を収録。
日常の風景の中で、光と闇を鮮やかに感じさせる凄み
読み進むうちにぞっと背筋が冷えるような仕掛け
「えっ」と思わず声が出るほど巧みな構成
二度読み必至! 引きずり込まれる魅力満載の山本文緒文学!
2021年10月に惜しくも死去した著者最後の小説集。