12歳の走哉は、運動神経抜群の妹と短距離走選手だった父に挟まれるように、毎朝ランニングの練習をしていた。「自分には走る才能がない」周囲から期待されていないこともわかっていたが、走哉は走ることが好きだった。地区で駅伝大会が行われることになり、クラスから参加するヒロシたちのチームに勇気を出して声をかけるが、「補欠なら…」と返されてしまう。悔しさを必死に呑み込み、自主トレを続ける走哉。そんな彼に対しチームのみんなも、一緒にたすき渡しの練習に行うようになる。そして、大会当日。アンカーのヒロシにアクシデントが起きて……!? 才能は全ての人が授かるわけではない。でも、 「走りたい、ただそれだけ」あさのあつこ氏驚愕の、新人デビュー。12歳の少年が友情に支えられながら、駅伝ランナーになる夢をあきらめずに走り出すまでをみずみずしく描いた、心が奮う青春駅伝小説!