女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭へと昇り詰めていく。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出した恋とは、どのようなものだったのか。思いがけない手法で利休伝説のベールが剥がされていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。
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