本書は、著名な美術評論家やジャーナリストによるインタビューと、処刑されたテロリストを描き話題となった、連作『1977年10月18日』をめぐっての対談、さらにリヒターが1962年から92年までに書いた、ノートや日記をまとめた初の書。リヒターの作風は、フォト・ペインティングから抽象絵画、鏡から色パネルと多岐にわたっているが、その問題意識は首尾一貫して写真性と光をめぐっている。写真性と光は絵画とどのように関わりあうのか、本書はその30年分のドキュメントでもある。21世紀への架け橋となる、美術界待望の本格芸術論。